ある夕方の拾いモノ -狐と私、時々愛-
それから。
愁がつきっきりで私の世話を焼いてくれたおかげからか、私の怪我は順調に回復していった。
「菜々美、飯だ」
食事時になると決まって愁は私の部屋に二人分の膳を運んできてくれ、そのまま一緒に食べるようになった。
向かい合わせに座り、他愛のない話をしながら食べるご飯がおいしくてつい夢中で箸を進めていると、そんな私を見て愁は笑う。
(えっ!?なんか変だった?)
愁の視線に気づいた私はうろたえる。すると、パチンと箸を置く音がした。