クロス†ハーツ
「じゃあ、雅矢と尚人。あとよろしくな」
「任せといて」
「早菜ちゃんの分まで、頑張るさー!」
「…」
中高合同イベントには、中庭に造られた特設ステージを使う。
私たち風紀委員は、その特設ステージの舞台裏にいた。
結局、風紀委員は人手不足のため、中高合同イベントの進行のサポートの仕事は免除されることになり、私と水瀬はイベント参加、雅矢くんと尚人が警備の仕事を受け持つことになった。
私の頭の中は、緊張で混乱していた。
文化祭の目玉イベントで、たっくさんの生徒やお客さんがいる前で、水瀬と一緒に舞台に立つことは、私の許容範囲を超えている。
しかも…。
「おい雨宮。そんな顔してると、中等部の奴らにナメられるぞ?」
「ナメられる…!?」
水瀬にため息交じりに言われて、私は恐怖で肩を揺らしてしまう。
すると、雅矢くんが笑って。
「大丈夫だよ。舞台は高いし、近くなきゃそんなに表情も見えないし、それに――」
そこまで言うと、雅矢くんは言葉を切って、私の方は見ながら言った。
「凛ちゃん、すごくおめかししてるしね」
「え…!?」
雅矢くんの言葉に、私はまた小さな叫びをあげた。