女王様のため息


長い間繰り返していた時間を取り戻せば、夕べ狂ってしまった二人の関係が軌道修正できるんじゃないか。

それは無理だろうと、どこかでわかってはいても、すがるようにそれだけを願ってこの店にやって来た。

「それじゃ、俺もほっけをよろしく」

「……いつもと一緒だね」

司が頼む定番のメニューの『ほっけ』。今日も頼んでくれた。

普段通りの流れに、私の気持ちと司の気持ちは同じなんだと、ほっと息を吐いた。

これまでの密な距離にいる同期だとういう距離感を取り戻そうとしているんだなと、司をちらりと横目で見ながら安堵した。

「いつもと一緒か……」

「え?」

低くて暗い声が司の口から洩れた。はっと緊張する。

「いつもと一緒を、やっぱり……真珠は望んでるのか?」

「司……?」

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