女王子と男姫!?
【乃愛side】
「…高峰 乃愛。正真正銘の女。皆からは王子って…。」
同じく自己紹介をしたのはいいが、自分で王子っていうのはかなり恥ずかしい。
「高峰乃愛ね…多分覚えた。忘れたらごめんね〜。」
姫は手をヒラヒラと振りながら食堂に飲み込まれていった。
「きゃー!」や「おぉー!」などの声が聞こえるのは姫のせいだろう。
私が食堂に入ってもあんな感じだけど。
「いいなぁー。」
「ん?何が?」
姫の後ろ姿を見ながら、知夏が小さい声でボソッと呟いたのが聞こえたので質問してみた。
「だって1つのクラスに王子と姫が集まってるじゃん!?羨ましいよ〜!」
知夏は泣き真似をしながら私に思いっきりダイブした。
強烈な一撃をくらった。