桜空あかねの裏事情
「それならば何故チームに入る事が出来ないのか、理解に苦しむ」
「私もそう思ってちょっと調べてみたら、納得したよ」
アーネストは纏めた書類の中から、一枚取り出してジョエルに渡す。
葛城駿について書かれた文章を上から順に読んでいくと、ある一点に目が止まる。
「……なるほどな」
神妙な面持ちのまま書類をアーネストに返すと、納得したように呟いた。
「どうするんだい?」
「さぁな。こればかりは本人にどの程度か聞かなければ分かるまい」
「じゃあ……」
「ああ。直に話すのが適当だということだ……そうだな。お嬢さんに同席してもらうのもいいだろう」
「おや。それは少し楽しそうだけど、意外だね」
「現在、リーデルがするべき事を全て私が引き受けている。少しずつでも教え込まねば」
話に区切りがついたのか、一息吐くようにジョエルはサングラスを外す。
すると彼の素顔と紫の瞳が露わになり、アーネストはそれを横目で見遣る。
普段は隠されている彼の素顔は、あかねの言葉を借りるならば結構な面構えと言ったところだろう。
女性に受けはいいはずだが、彼にはそういう相手はいない。
最も顔は良くても、口を開けば嫌味と皮肉しか出て来ないので、仕方ないと言えば仕方ないのかも知れないが。
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