桜空あかねの裏事情
プラティア ヴィオレット
「あかね嬢は見かけによらず、思慮深いのは知ってたけど、まさか審美眼も持ち合わせていたとはね」
ジョエルに連れられた先で依頼を終えたアーネストは、彼と共にヴィオレットです束の間の一時を過ごしていた。
依頼とはジョエルから受けたもので、とある人物の身元を調べるという内容だった。
それらの情報を書類に纏め、整理し終えたアーネストは独りでに話し始める。
「葛城駿。22歳。静岡県出身。身長177㎝、体重63㎏。後天的異能者で覚醒したのは12歳。18歳から二年間、養成所で異能について学ぶ。その後、いくつかのチームに申請を出すものの、承諾は貰えず、現在は養成所の非常勤講師……ってとこかな」
「それがお嬢さんが見つけた男の詳細か。存外、平々凡々だな」
詳細を聞いて、それのどこが審美眼を持ち合わせているんだと言わんばかりのジョエルに、アーネストはすかさず言葉を紡ぐ。
「いや、それがね……養成時代の彼の成績を調べてみたんだけど、かなり優秀なんだよね。」
「どの程度だ?」
「総合成績評価A+。卒業年度には優秀生徒に選ばれてるみたいだよ」
「ふむ。それは確かに優秀だな。だが……」
それほどの成績を修めているならば引く手数多だろうに、何故この男はどこのチームにも所属出来ないのかとジョエルには疑問だった。
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