桜空あかねの裏事情
そんな心情を察しているのかいないのか、昶は言葉を続ける。
「つーわけで、オレの決意表明は終わりっと!あとはあかね次第だ」
笑顔の昶には以前のような臆病さは見られない。
「私次第って……そんなのもう決まってるし」
「お、そうなのか?」
「わかってるくせに」
「そうだけどさ、お前の口から聞きたいじゃんか」
互いにふざけあうように、体を軽くどつきながら言い合う。
そしてあかねはふと朔姫達がいる方へ振り向いた。
「山川さん達はどう思う?」
その場にいる所属者達に問い掛ける。
自分だけでなく、彼等にも納得し認めてもらいたい。
予想だにしてなかったのか、どことなく顔を見合わせる朔姫と結祈。
暫しの沈黙の後、始めに口を開いたのは意外にもギネヴィアだった。
「いいんじゃない?異能持ってるみたいだし、昶ちゃん意外にカワイイ顔してるし」
「ぎ、ギネヴィアさん…!ちょ、オレ照れます!へへっ」
「キモイよ」
辛辣な言葉と共に冷たい視線を送れば、冗談だっての。と小さく言いなが弁明していた。
「そうですね。自分も特に異論はありません。それにあかねのご友人ですから、尚のことよろしいかと思います」
今まで黙り込んでいた結祈も笑顔を浮かべながら、ギネヴィアの意見に賛同する。
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