桜空あかねの裏事情

無理もない。
初対面の男が、習慣でもある茶会にいるなど違和感がありすぎる。
その上、まだ互いに名前すら知らないのだ。
どう話を切り出すか考えていると。


「あ、そうだ山川さん」


明るい声が響いた。


「まだ紹介してなかったよね。この人は葛城さん。昶と同じで、手続きが終わり次第オルディネに所属してくれるの」


自分達の気まずさに気付いたのか或いはただの偶然か。
あかねは自分の代わりに少女にそう紹介した。


「葛城駿だ。よろしく」

「山川朔姫です。こちらこそよろしくお願いします」


安心したのか、朔姫と名乗った少女は丁寧に頭を下げる。


「さっきはごめんなさい。誰だか分からなくて、少し見過ぎてしまって」

「いや、こちらも名乗りもせず申し訳ない。気にしないでいい」

「はい。ありがとうございます」


隣でまた騒ぎ始めているあかねや昶に比べ、大人びた印象を与える朔姫。
そして執事のような振る舞いをする結祈。
いくら大人びていても、見た目からすると恐らく全員十代だ。
特にあかねや結祈は半ばにしか見えない。
ジョエルから先程話は聞いていたとはいえ、自分が思っていた以上に、オルディネ所属者の年齢は若いようだ。


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