桜空あかねの裏事情
「彼女が……」
静かに告げられた事実に、唖然とする。
頂点となる者は、そのチームの中で最優の者、または人格者がなるのが通説だ。
「何か理由があるのか?」
「理由、ね。無いわけではないが、話しても理解は出来ないだろう。自分の目で確かめるといい」
ジョエルはただそう言って答える事はしなかった。
はぐらかされたようにも感じたが、確かに自分自身で見て判断しない限り、本当に理解をすることは出来ないだろう。
「では話に入らせてもらう。先程言ったように、ハンデ付きの君がオルディネに所属する事を望むのならば、私が掲示する条件を呑んでもらう」
「……どんな条件だ?」
「大した事ではない。お嬢さんがここに来てから一ヶ月。新しい環境にも慣れる頃だ。そこで教育者である君に、お嬢さんを含めたオルディネ所属の若い異能者達に、異能の基礎的な使い方を叩き込んでもらいたい」
「構わないが、何故」
「現在オルディネに正式所属している異能者は私を含め五名。そして借所属が二名。私以外はまだ若く、その内の四人はまだ未成年。故に経験不足は否めない」
「……あの男はオルディネ所属ではないのか?」
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