桜空あかねの裏事情
「!……本当ですか?」
「ジョエルが様子見に来た時に、丁度ね」
「容態はどうなんだ?」
度々、看病をしていたからか駿も気に掛けていたのだろう。
「結祈によると、怪我が完治するまではまだ多少時間は掛かるって。でも起き上がるぐらいは問題ないみたいだよ。目が覚めなかったのは、疲れが溜まっていたからなのかも知れないね」
「……泰牙さんと話せますか?」
「もちろん。目が覚めてすぐに食事も取るし、よく話すから」
「なら……」
アーネストの話を聞いて、会いに行きたいと思うが、生憎自分は訓練の最中だ。
様子を伺うように駿の方を見ると、彼は軽く息を吐いた。
「行ってくるといい。彼という人物を見極めるのも大切な事だ。その間、俺は昶に付きっきりで待っている」
「うげー…冗談キツいぜ」
あからさまに嫌そうな顔をする昶に、駿は一瞥するが気にする事なくあかねに声を掛ける。
「とりあえず、ジョエルみたいなヤツじゃなきゃいいな!」
「うん……そうだね」
まだ顔と名前しか知らない。
どんな人物なのか、期待と不安が頭の中に渦巻く。
「許可も下りた事だ。そろそろ行こうか」
「……はい」
アーネストに軽く肩を押され、力強く頷いた。
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