桜空あかねの裏事情
数日後
黎明館 ギネヴィア自室
「……それで?あかねちゃんとジョエルは喧嘩して、それから一切口を聞いてないわけ?」
「ええ。顔を合わせても一言も話しませんし……困ったものです」
「でも喧嘩っつーか、その場にいたアーネストさんが言うには」
「ただの痴話喧嘩」
「大体ジョエルが大人気なかったらしい」
帰還したばかりのギネヴィアの問いに、結祈と昶に続いて朔姫、駿が簡潔に述べる。
「そう。まぁ大体予想はしてたわ。でも、何で全員ここにいるのかしら?ここ私の部屋よね?」
通常の一室より広く造られている黎明館の一室。
ギネヴィアの部屋も同じだ。
しかしそこには渦中の二人を除く、六人が居座っているのだ。
当然ながらゆとりのある空間から一転し、一層狭くなる。
「そうなんだけどねー。食堂は二人も出入りするしー、図書館はジョエルの出入りが多いしー、修練場はあかねちゃんが出入りするからー。んでみんなで話し合った結果ー」
「二階の一番奥にある私の部屋にしたのね。ジョエルもあかねちゃんも居合わせない、かつどちらも近寄らないこの場所に」
「流石だよギネヴィア。ご明察の通り」
「私個人として、アンタは許し難いけどね」
にこやかに誉め称えるアーネストを睨むように一瞥するギネヴィア。
「それで、肝心の二人は今どうしてるのよ」
「ジョエルは相変わらず自室。あかね嬢は例の彼と取り込み中さ」
「そう。っていうか、何で止めなかったのよ。アンタ見てたんでしょ」
「一応、あかね嬢の肩を持ったんだけどね。ジョエルの言い分も理が適っているんだ」
「理が適って?それじゃあ、アンタもあの怪我人を引き入れることに反対してるわけ?」
「まさか。むしろ引き入れる事に賛成だよ。ただジョエルの言ってる事も見過ごせるものではないんだ」
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