桜空あかねの裏事情
「はぁ?なによそれ」
「あーあれでしょ、ジョエルはその彼と一緒に付いてくる特典が嫌なんでしょ?」
「特典?」
アーネストや陸人の話を聞いても、ギネヴィアは意図が掴めず聞き返す。
しかし答える気はないのか、陸人は更に話を続ける。
「まぁ僕的にあかねちゃんがリーデルになるよりかは、彼がオルディネに入ることの方がよっぽどマシだけどねー」
「え?まだ反対してたんすか?」
「当然!君は親あかね派だから、ある意味敵同士だね」
「なんだそれは……」
「あ、駿も親あかね派だよ」
「理解に苦しむ」
陸人の言動に呆れ、溜め息を零す駿。
「ていうかさー、何でジョエルはあかねちゃんをリーデルにしようと企んだわけさ?彼女、性格はまぁ向いてると思うけどー、実力はからっきしじゃん?ボク、イヤだよ。能がない子が上司になるなんて」
「実力不足なのは否定しないが、素質は十分ある。長い目で見てくれ」
「う〜ん。親あかね派に言われてもね……信用ならないよ」
「陸人、そういう言い方やめなさい」
ギネヴィアが諭すも、陸人は止める事もせず、次第に昶や駿と言い合いを始める。
その輪に入らず、彼らと少し距離をとって、様子を眺めるアーネストと朔姫。
「直情的に自分の意思を相手に告げて討論する。若いって素晴らしいね」
「……そうでしょうか」
アーネストの呟きに異議を唱える朔姫。
「私個人としては、もう少し聞く耳を持っても良いかと」
「ああ。そうかもね」
「………」
「どうしたんだい?」
急に黙り込むと、様子を伺うようにアーネストは覗き込む。
「いえ……ただ、気になる事が一つ」
「気になる事?」
「はい。陸人さんの言う通り、ジョエルさんがあかねをリーデル候補として選んだ理由は一体何なのか。以前、私は直接聞いた事あるのですが、その時は単純に彼女にその素質があるという事しか話してくれませんでした」
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