桜空あかねの裏事情
昶の歪みもない真っ直ぐな想いに、結祈は優しい笑みを浮かべる。
「昶は立派なダチですね」
「そ、そうか?でも……オレはあかねに何もしてやれてない」
「そうは言いますが、何かをしてあげる事が、貴方の言うダチなのですか?」
「違う!けど……」
昶は何かを言いかけて、黙ってしまう。
そんな彼に、結祈は優しく声を掛ける。
「…貴方とあかね様を見る限り、ダチというのは求めたり与えたりするものではないと思います。互いが互いを想い合う。それがダチではないのですか?」
その言葉に昶はハッとして、苦笑する。
「……そうだよな。オレってば、また後ろ向きになっちまった」
「ふふ。昶もまだ子供ですね」
「なっ!?ゆ、結祈だってオレとそんなに変わんねーじゃん!」
「見た目は確かにそうですが、私の方が四歳年上ですし」
「んなの……見た目詐欺じゃねーか」
いじけながら呟くと、結祈は宥めるように口を開く。
「話を戻しますが、今の昶達なら大丈夫ですよ。それに自分は、貴方が無事で本当に良かったと思います。貴方だって大切な仲間なのですから」
「結祈……」
結祈はそれ以上何も言わず、ただ微笑む。
「だから貴方が言ったように、面白い事を考えましょう」
「そうだな!じゃあまず、あかねをどうやって取り戻すか考えようぜ!」
「取り戻す?」
「おう!あかねがいないとか、オレ絶対イヤだし。それにオルディネだって困るだろ」
「ええ、まぁ……ですがそれは、ジョエルの指示があるまで――」
「だーっ!それがダメなんだって!」
突如大声を上げる昶。
そんな彼に指を指された結祈は、目を白黒させながら固まる。
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