桜空あかねの裏事情

「そうやってジョエルの言う事ばっか聞いてっから、舐められるんだ。たまには、好き勝手にやっちまおうぜ?」

「か、勝手にですか?」

「おう!まずは作戦会議だ!何かあるか!」


意気揚々と告げられ気圧される形で、戸惑いながらも促されるまま、これからどうするべきか自分なりに考えていた事を話し始めた。
そしてどこからか取り出したメモ帳に、要点だけを書き出し思案する昶。
正直言って、有効かは分からないし独りでに考えていただけに不安だ。
役立つどころか、参考にもならないかも知れないのに、昶は真剣に考えていた。
自責の念もあるのだろう。
だが何よりも、あかねが大切な友人であるから出来る事があるならと模索しているのだろう。
そう思いながら、結祈自身もまた他に手立てはないか熟考する。


「んーと……館を襲ったヤツとオレ達を襲ったヤツはアヴィドで、目的は泰牙さん。でも結果は失敗。んでアロンゾ…だっけ?」

「アロガンテです」

「それそれ。その、アロガンテの目的はあかねで、結果は成功。気になったんだけど、アヴィドはまた泰牙さんを襲ってきたりすんのか?」

「可能性としては有り得ます。ただジョエルも協会に、この事態を報告しているはずです。チームは公式戦以外の戦闘は禁止されていますので、今回のように派手に行動に移す事はないかと思います」

「そうなのか。じゃあ泰牙さんはひとまず置いといて、問題はあかねだよな」

「ええ……」


――彼女が捕らわれている場所は恐らく、プラティア第四区にあるアロガンテが所有している屋敷のはず。

以前ギネヴィアがアロガンテの潜入捜査に赴いた際、彼女の援護を担当して結祈は、秘密裏に屋敷の設計図を入手していた。
図を見る限りでは、どこにでもあるような屋敷だと思っていた。一部を除いて。


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