桜空あかねの裏事情
黎明館 食堂
「ねぇ昶、ここどう解くの?」
「ん?あ、これはこの方式使う……って朔姫が言ってた」
「そうなんだ。ほうほう」
「なぁあかねー、この問題」
「え?んー………ごめん。それ分かんない。朔姫に聞いたら?」
「だな。つっても、朔姫もう寝てるから明日かぁ」
その言葉に、あかねは端に置いてあった携帯を手に取る。
既に午後十一時を過ぎており、帰宅して昶と共に食堂で試験対策をしてから三時間は過ぎていた。
「ホント早いよな。11時とかオレ普通にテレビ見てるわ」
「私も。あとはメールとか電話してるかな」
「電話?誰と?」
「家族とか中学とか友達とか。まぁ主に楓やしろちゃん、瀬々とかだけど。あ、この前は信乃とかな」
「へぇ……あ、信乃と言えば!アイツ好きなヤツいるらしいぜ」
「ああ、遠山さんでしょ?瀬々が言ってた」
「マジで!?遠山さんって学年三大美少女のあの遠山さん!?」
「じゃん?話したことないから、よく知らないけど」
「三つ編みが似合う超絶大和撫子だぜ!そっかそっかぁ。信乃のヤツ、ああいうのが好みなのか。明日聞いてみよっと!」
一人納得しながら含み笑いする昶に、あかねは軽く溜め息をこぼす。
「まぁ本人から聞いたわけじゃないし、あんまりからかわない方がいいと思うよ」
「でもあの信乃だぜ?どんな反応すんのか気になるじゃん」
「気になるかぁ……私は昶の方が気になるけどな」
「え?」
「え?じゃないでしょ。朔姫とはどうなの?うまくいってる?」
「っ!?」
満面の笑みを浮かべながら尋ねれば、途端に顔を赤くする昶。
「ふふっ。顔赤いよ」
「う、うるせぇ!」
「はいはい。で、どうなのよ?」
「う、お、おう!……それは…えっと……ですね」
「うん」
「さ、最近は、そこそこ……うまくいってる、のではないかと…思います……はい」
.