続 青薔薇姫
急にゴシゴシと目をこすった瑞華は、ムリに笑顔をつくっていた。
「また会えるんでしょ?
だったらそのときにまた遊ぼ!!」
「……うん!!」
瑞華と柚歩にサヨナラをして、俺は車に乗り込んだ。
………瑞華、俺、この気持ちに自信ないけど、好きっていう感情なんだと思う。
だから、今度会ったとき、伝えるから。
…………でも、次に瑞華に会ったとき、瑞華は泣いていた。
俺が引っ越すときの涙とはまた違う。
「………瑞華。」
「虎太…………。」
あれから6年経って、少し大人びた瑞華。
………だけどその隣に、いつも一緒にいた柚歩はいなかった。
「虎太………っ!!」
ギュッと俺に泣きながら抱きつく瑞華をそっと包んだ。
これからは、俺にできることなら何でもするから……。
だから俺を頼ってほしい。
6年前感じた想いを伝えるか迷ったけど、葬式でなんて不謹慎だよな……。
そう思って、中3のこのとき、瑞華に想いを伝えるのを先送りにしてしまった。