○○彼氏。【完】
しかし、拓真にお願いされることなんてすごく珍しいことではない。
ただ、そのお願いの内容以外は。
「なに言ってんの。あたし彼氏いるから」
拓真に告白するなんてことが和希にバレたら、いくらフリだとしても何もないわけが無い。
「そこをなんとか」
目の前で手を合わせて頭を下げる拓真。
けど、今回ばかりはお願いを聞いてあげることはできない。
「ごめんだけど・・・・・」
そう言って断ろうとした時、
「駅前のケーキ屋のバイキング券、2枚手に入れたんだけどな」