○○彼氏。【完】
ピクッ。
「俺別にケーキ好きってわけじゃないから、誰かにあげようと思ってたんだけど」
「・・・・・うぐッ」
「クラスの女子にでもあげるか」
「仕方ない、今回だけね」
「え!?マジで!?じゃあお礼と言ったらなんだけど、このバイキング券あげる」
わざとらしい笑みを浮かべ、拓真はあたしに二枚の券を手渡した。
くっ!!あたしの食い意地・・・・・!!
けど、駅前のケーキ屋のバイキング券は滅多に手に入れることはできない。
なぜなら、雑誌に取り上げられるくらいの人気があり、普通に買いに行くだけでも一苦労だからだ。