○○彼氏。【完】
「あー、わり」
そう言って課題を手渡すと、
「ありがと」
と言って去っていった。
「・・・・・あー、落とす相手、あいつでいいや」
パタパタと小走りで教室を出ていく奈緒の後姿を見ながら、俺は言った。
「えー、もっと目立つような子にしろよー。ほら、隣のクラスの小田さんとか。去年のミスコンだぜ?」
「なんなら涼子ちゃんにしろよ」
冗談を言いながら笑うこいつらに、
「お前らな、美人って怖いんだぞ。しかも罰ゲームはクラスの女子だろ」
と言った。