○○彼氏。【完】
そんなことを思っていると、
「あのさ、盗み聞きしようとしたわけじゃないんだけど・・・・・。別に、気にしなくてもいいと思うよ。あんたのその性格がいいっていう人もいるかもしれないし。少なくともあたしはあの子が好きになった先輩を彼氏にするよりあんたのが幸せにしてくれそうって思ってる」
その言葉は、フラれたばっかの俺には十分すぎるほど優しい言葉で・・・・・。
「あ、」
俺が声をかける暇もないまま、彼女は出ていってしまった。
あの子、なんて名前なんだろう。
そして、高校二年生。
クラスに入って真っ先に彼女を見た時、小さくガッツポーズしたのは言うまでもない。
─叶汰side 完─