○○彼氏。【完】
それでもトップというプライドが勝って、負けることはなかった。
しかし殴られたダメージは大きく、俺は公園の人気ないところで倒れていた。
その時、
「・・・・・優希くん?」
遠慮勝ちな声で俺の名前を誰かが呼んだ。
誰かが、といっても毎日聞いている声だったからすぐに誰かわかった。
「優希くんなの?」
そっと目を開けると、そこには心配そうに俺を見下ろすあの女。
「だ、大丈夫!?」
俺と目があった瞬間、アタフタとし出す女。
そして、
「そ、そうだ!!」
というと自分のカバンの中をまさぐりだす。
手にとったのは、消毒液と絆創膏。
それで俺の傷口の治療を始めた。