○○彼氏。【完】
─和希side─
ある夏の昼下がり───・・・
「・・・・・あっつい」
炎天下の中、俺は街を歩いていた。
なんで、こんなクソ暑い日に・・・・・。
原因は俺の隣を歩いているこいつ、姉貴。
男よけのために買い物に付き合わされていた。
「別に、一人で歩いてても誰も声かけねぇよ」
不満げにものを言えば、
「言っとくけどあたし、あんたが思っている以上にモテてるから」
と、一言。
「だったらなんで彼氏いねぇんだよ。そもそも俺じゃなくてもいいだろ」
「しょうがないでしょ。1人の男に縛られるのはゴメンなの。それに仲のいい同僚も、年下の彼女ができちゃって誘えないし」
と、姉貴は口を尖らせながら言った。