わたしの魔法使い
外が暑かったおかげで、ビールがうまい!!

見ると、朱里ちゃんも半分くらい一気に飲んでる。


「ぷはーっ!ビールがおいしい!!」



ご飯を美味しそうに食べる朱里ちゃんは、ビールもおいしそうに飲むんだ。

新たな発見が嬉しい。


「…――颯太さん。話しておきたいことがあるの。」


また本屋で見た、真剣な顔が目の前にある。

悲しげで、泣き出しそうな顔。



「あのね…私……。あー。何から話せばいいんだろう?…おじさん!ビール、お代わり!!」

「あ、朱里ちゃん?」

「あ、大丈夫。ビールぐらいじゃ何ともないから。」

「そうじゃなくて…。飲まなきゃ話せないこと?」

「…うん……もう少し飲んだら、ちゃんと話す」


そういうと、残りのビールを煽るように飲み干した。

飲まなきゃ話せないこと。

たぶん、本屋で見せた力強い決心は、話をしようと決めたんだね。



テーブルの上には、いつも朱里ちゃんが頼んでいるだろう、枝豆や肉じゃが、焼き鳥が次々に並んでいく。

そのどれもがおいしいけれど、朱里ちゃんが気になって味がよくわからない。

もう少し飲んだら…

そういった朱里ちゃんは、煽るように2杯、3杯と煽るように重ね、僕はそれを黙ってみていた。




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