わたしの魔法使い
颯太さんの手は、優しかった頃のあの人の手と似てる。

大きくて、温かくて、安心できる。

でも、やっぱり……


「颯太さんがいい…」

「ん?」

「ううん。何でもない。それより、飲もう!」


暗くなった雰囲気を壊すように、私は温くなったビールを飲み干した。



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