わたしの魔法使い
やっぱり綺麗だな……

男の人に「綺麗」なんて失礼かもしれない。

でも、綺麗なものは綺麗なの!


そんなことを思いながらぼんやりしていたみたい。

颯太さんは怪訝そうな顔をしている。

「朱里ちゃんのリクエスト通りにしたんだけど…違った?」

「違うよー。颯太さんって綺麗だなーって思って。」

「綺麗……」

あれ?

今何か嫌なこと言った?

ほんの一瞬だけだけど、嫌そうな顔した?

まあ、男の人に「綺麗」なんて誉め言葉じゃないかもしれないし。

それに、たった一瞬だから。

「さ、朝御飯にしよう?僕、お腹が空いちゃって。」

…やっぱり、気のせいかもしれない。

だって、ほんの一瞬だったし、今は普通に笑ってるし。



その時は気がつかなかった。

颯太さんが、颯太さん自身を「綺麗」と言われることを極端に嫌がることを……
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