扉の向こう
このことはもう百人一首いくなと言われたら困るから親に言わなかった。
もちろんいつどこでばれるかわからないから他の人にも秘密でいる。
それから将之は百人一首のあと私のことを家まで送ってくれていたし、この日みたいに将之の塾の日でも将之は塾の近くで私を待っていてくれていた。
でもそれは昨年の話しで受験生の将之にそんな余裕なんてなければ別れてから気まずい雰囲気で今年の百人一首に将之が現れたのは初めてだった。
そして将之と私が付き合っていたことは誰も知らない。