扉の向こう


「俺も会いたい。今からでもいいから会いたい」

まったく俺は何いってんだろうか。
どうかネタと思ってくれ。

「唯花も会いたい!いっそ会う?でも将之忙しいよね」

まさかの展開に俺はドキドキしていた。
こんなにドキドキしたのはいつぶりだろうか。

「大丈夫だけど。親いないしうちくる?」

俺何言っちゃってんの?
親いないとか言うなんて怪しすぎね?

「行く!」
「じゃあ今から迎えに行っても大丈夫か?準備とか」
「すぐ家でれる!迎えなくても大丈夫だし」

冬のことを思い出すといくら明るくても唯花を1人で歩かすのが怖い。
でもそれを素直に言うわけにもいかない。
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