扉の向こう
「飲み物とかなんもないからそれ買いたいし!だから家で待ってろ」
「りょーかい。じゃあ下で待ってるね」
「ん。あとでな」
俺は電話を切って即効スウェットから私服に着替えて財布とケータイだけ持ち家を出た。
歩いて行こうかとも思ったけど唯花に会う機会なんてこの時期めったにないから一瞬でも長くいたいがためにチャリに乗った。
全速力でチャリをこぐと思ったより早くついてしまった。
だから唯花はまだそこにいなかった。