アンダーサイカ



「いらっしゃいませ、お客様。
本日は何をお求めでしょう?」


昨日のオバケの時と同じく、ヨシヤの態度は丁寧の一言。
私も何とか浮かないようにと、ヨシヤの隣に並んでペコッと頭を下げた。


【…シュウゥ……。】


大蛇のオバケが何か言ってる。
でも当然ながら私には言ってる意味が分からない。

チラッとヨシヤを見上げれば、


「おや、それはそれは。
ありがとうございます。」


なんだか嬉しそうにお礼言ってる…。
オバケは何て言ったんだろ…。



「豊花ちゃん、お客様は噂を聴いて来店してくださったんですよ。きみを一目見たかったそうです。」


「え!?」


ギョッとした。

まさか昨日の小人オバケ、本当に触れ回ってたなんて!


素早くヨシヤを見上げ、その直後に大蛇を見上げるけど、

私には…見に来たっていうか、隙あらば私を食べようと思ってる目に見えるんだけど…。


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