アンダーサイカ



「へえ、そうですか、肉屋さんがサービスを…。

ふふ、きっと豊花ちゃんが可愛いおかげですね。」



買ってきたお肉の多さにヨシヤはビックリしてるみたいだった。


…本当は半ば脅す感じで買ってきたんだけど、そんなこと正直に言えるわけもなく。


「わかんない。
たぶんマサちゃんの機嫌が良かったんだよ。」


そう、真相をお茶に濁しておいた。



「“マサちゃん”?
誰ですか?」

「肉屋のマサミちゃん。名前聞いたの。」


これも半ば脅迫みたいな形で。
でも私はマサちゃんとはきちんと知り合いになったつもりだ。
次にお店に行った時、マサちゃんはきっと今日よりは優しくなってる。そんな気がするんだよね。



私の言葉を聞いたヨシヤがまた嬉しそうに目を細めた。


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