アンダーサイカ
こっちがこんなに恥ずかしい思いしてるのに、当のヨシヤはどこか満足げにしてる。それが気に食わなかった。
二度目を食らわないよう、おでこを両手でガードしながら、
「いきなり変なことしないで!
セクハラだ、セクハラだ!警備員さん呼んでやる!」
「これはたぶん彼らの管轄外だと思いますよ。」
サラッと言ってのける彼。
どうやら罪悪感とか悪気はないみたい。
…それにしても、いきなりチューだなんていくらなんでも、突拍子なさすぎる。
「いやぁ、でも…、
そんなに嫌がられるとは思っていませんでした。
豊花ちゃんのことだから、また飄々と受け流すと思っていたんですけどね。
ごめんなさい、不快な思いさせちゃいましたね。」
「…………。」
そんな正直に謝られるなんて思ってなかったから、ちょっと拍子抜けだ。