アンダーサイカ


足音は2番街…マサちゃんの店がある方向から徐々に近づいてきた。


タッタッタ…という軽快な音が次第にダダダダッという趣の無い音に変わって、


「!」


息を飲むより速く、その人は現れた。



上下とも深緑色の作業着姿に、額に大きな黒いゴーグル。
鳥の羽みたいに跳ねた真っ白な髪。


そんな、どこかの炭鉱の人かと間違えるような風貌の人は、背中にこれでもかというくらい大量の木箱を背負っていた。

大小様々だけど、5段以上に積み上がってる。
とても一人で背負って走れない量だということがすぐに分かった。


それより驚いたのが、その人がどうやらヨシヤよりも若そうな男の人だってこと。

…いくら男の人だからって力持ちすぎやしない?


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