アンダーサイカ


ゴーグルの奥のキリッと研ぎ澄まされた目が、私たちを捉えた。



思わずビクッとする私。
そして、それと対照的にヨシヤは、


「時間ピッタリのお着きです。
さすがですね、配達員さん。」


そうにこやかに言った。

“配達員”と。



驚きを隠せない私の前で、配達員さんはそっとゴーグルを押し上げ、




「――よぉよぉよぉっ!!
“お待たせしました”ってヤツだ薬屋サンよぉ!!

“毎度ご贔屓にどうも”ってな!!」



…空気がびりびり振動するくらいの大きな声で、まくし立てるようにそう言った。いや、叫んだ。


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