アンダーサイカ
私は唖然とする。
いや、意表を突かれて狼狽えた…といったほうが正しい。
思わず丸椅子から飛び降りて、ヨシヤの背中に隠れてしまうくらい動揺した。
「あぁ…、やっぱり恐がらせちゃいましたね。
無理もありません。僕も初対面の時は配達員さんをかなり敵視しました。
豊花ちゃん、大丈夫ですか?」
「ダッハッハ!!
本人を目の前に無遠慮に言ってくれるぜっ!!」
そっと、ヨシヤ越しに配達員さんを見る。
笑い方は豪快だし見るからに怪力だし、あんまり自分から近付きたくはないな…というのが正直なところ。
「…………。」
でも、この世界の耐性がついてしまった私は、こんな突拍子もない配達員さんなんてオバケに比べたら全然恐くないと自分に暗示をかけることができた。
まだ少しビクビクしながらヨシヤに答える。
「…………ん。恐くない。」
「ふふ、偉い偉い。」