アンダーサイカ


涼しい図書館の中のいつもの席に移動する。

ここ最近通いだしてから、パソコンルームの窓際の席は私たちの特等席となっていた。


早い時間だから、まだ人も少ない。
三台のパソコンの電源を入れて、今日もグループ研究の始まりだ。



…でも、


「……んん~、なかなか良いアイデア浮かばないわねぇ。
草花研究よりもスタイリッシュでインパクトがある企画……企画…んも~…。」


「牛か。」


余計な一言が引き金となって、潤ちゃんに首を絞められてる拓くんは自業自得だ。


それにしても、…決まらない。
夏休み前にいくつか研究の案を出した気がするんだけど、いろんな理由で却下せざるを得なくなってしまった。

もうすぐ一週間が経とうとしてるんだ。
そろそろテーマを固めてしまいたいところなのに。


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