アンダーサイカ
「優太、言ってたんだ。
“遠くへ行ったら皆は自分のことを忘れるかもしれない。それがつらくて、皆に言い出せない”…って。
…おれ、友達と離れ離れになったことないからよく分かんねーんだけど…、
でもきっと、大事な友達のことを忘れたりなんかしないと思うんだ。
…だっておれさ、優太のことも、何より豊花や潤子のことも、すっげー大好きだからさ。」
拓くんの「大好き」の台詞を聞いた時、潤ちゃんが目を更に丸くした。
拓くんは馬鹿正直な部分がある。けどそれは、素直なとても良いお馬鹿さんだ。
そんな拓くんが私たちを忘れるわけがない。
「…うふふふ。
もちろんよ、拓哉。」
「私たちだって拓くん大好きだもの。忘れないよ。」