ヤンデレパーティー
――立派な殺人鬼じゃねえか。
と、口元まで出た言葉を調教師は呑み込んだ。
さすがに拳銃持つ奴の機嫌を損ねる真似はしない。呑み込む言葉の代わりに、調教師は息を吐いた。
「あなたに殺される奴は、よほど運がなさそうですね」
「身の程知らずの虫けらだから自業自得だ。隠れていればいい。わざわざ探す真似するなら、俺は彼女といちゃいちゃしたいから」
「それでも、いつかは虫が隠れている場所ごと駆逐するのでしょう?」
「やりたいねぇ。準備はまだ整ってないからやらないけど、ああ、やりたい。何せ、彼女は綺麗だから。虫が寄ってきやすい。早い内に、俺しか愛してはいけない彼女を虫が愛する前に、殺さなきゃ。彼女だって嫌だろうしね、虫に愛されるだなんて」
「確かに、嫌なことではありますね……」