ヤンデレパーティー


そんな胸にも目をくれずに、玄関の靴箱に常備していたファブリーズを十束は手にとった。


「ファブれ、殺菌消毒していないバイ菌の塊がお嬢様の部屋に入るなっ」


「いやねぇ。レノアで洗っているから、臭いだなんてないし、きっちり綺麗なのに」


「服ではない、貴様自身がバイ菌だ!いっそ、頭から原液そのまま被せたいほど――いいや、消毒液入れた洗濯機に入れたいほどの汚さで入ってくるとは……、お嬢様の聖域が穢れるだろうが!」


「本音で言いなさいよぅ、ロリコン。『俺とお嬢様の部屋に他人が入ってくるな』って、卑しい嫉妬丸出しなくせして」


「無理矢理にでも追い出すぞ、雑菌がっ」


因みに言うが、Aは毎日風呂に一時間以上入る。雑菌だからと消毒したがるほどでもないのだが、十束にしてみればAへの怨み+外から入ってきただけで十分にアウトらしい。


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