ヤンデレパーティー


述べられた謝罪に冬月の心が揺さぶられた。


兄を憎んだことなどない。だから謝ることないのに――ああして泣いてまで、自分の苦しみを理解してくれていた。


兄さんは悪くない。勝手に好きになり、勝手に想いを隠したのは冬月の独断だ。


「兄さん、そん、な……」


戸惑いが埋まれる。

嫌われたと思ったのに、兄の涙を流す目は贖罪と受け入れの、どうしようもない悲痛を込めたもの。


嫌いな相手にあんな慈愛ある眼差しを向けるわけがない、自分を思って泣いてくれるだなんて、これは。


「兄さん、僕のこと……嫌いじゃないの」


途切れた声で、闇を進むかのような不安を含ませて、冬月は問うた。


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