ヤンデレパーティー
シャワーを止めて、入ってきた彼を見る。
「服、脱ぐ?」
「脱がなくていいです。今日はやる気はありませんから」
疲れているんですよ、と彼が差し出すシャンプーボトルを手にした。
もう用は済んだので出ていってほしいが、彼は片時も離れたくないのだろう。ミナナと自分の気持ちを考慮して、すりガラス前から進もうとしない。
見られていると何だか気になるが――毎晩、部屋の中を監視(彼いわく護衛)されているのだから、何を今更とミナナはバスチェアに座る。
髪はもう濡らした、シャンプーを手のひらにコインサイズ分だけプッシュし、後は無造作に洗うだけ。