ヤンデレパーティー


もしくは下らないことか、なら聞かないくていいやとミナナは立ち上がり、スポンジにボディーソープを含ませて泡立て、体をごしごしする。


「洗う?」


「自分でやります。あなたがやるといちいちいやらしい手つきになりますから」


「しないよ。あ、でも、ミナナは俺に触られただけで欲情するのか!」


「あなたのいやらしさは無自覚ですか」


もっとも堂々としているのでいやらしさではないと彼は言い返しそうだが。


――でも、ほんと、意識し過ぎてんのかなぁ。


彼の言葉を真に受けるわけではないが、綺麗にしたい一心での手洗いに、びくりと前に感じてしまったことがあった。


結局、その晩は彼は手洗いしたらはいさよなら、みたいな感じで終わり、こちらとしては何とも消化不良の気分を味わう羽目になったのだが。


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