ブスになりたい女 〜高飛車美少女 VS 秀才クール男子〜
「だからさ、そんな顔はすぐ止めなよ」


 そう恵美は言ったけど、


「イヤ!」


 と即座に私は言っていた。


「中野和也を落とすまで止めない」


「あんたね……」


「あんなクラスの連中になんか、どう思われたっていいもん。どうせ仲良くなんか出来ないんだし」


「それはそうだけどさ……」


「何よ?」


「え? うーん、何でもない」


 なぜか歯切れの悪い恵美だった。


 恵美にはそう言ったものの、あまり長引かせない方がいいと、私も思った。家族の評判も悪そうだし。こうなったら、即効で中野和也を落とさなくちゃ。


 あ。ちょっと待って?

 中野和也を落としたら、元の私に戻っていいんだろうか?
 うわあ、そこまで考えてなかったよ……

 まあいいや。その時考えようっと。


< 104 / 417 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop