ブスになりたい女 〜高飛車美少女 VS 秀才クール男子〜
 誰だろうと思って振り返ったら……


「中野君……」だった。


「あんたもパン買ったのか?」


 中野君は、私がメロンパン1個だけが入ったビニール袋を、手にぶら提げてるのを見て言った。そう言う中野君も、手にビニール袋を提げていた。ただし私のと違って、膨らんで重そうな袋だけど。


「う、うん。お弁当を忘れちゃって……」


「ふーん」


「あ、あのね。パンを食べた後でいいんだけど、話できないかな?」


「ああ、いいよ。だったら、このまま中庭とかで一緒に食わないか? 今日も天気いいし」


「うん、いいよ」


 思わぬ中野君の提案に、私は笑顔で即答していた。


 なんか、中野君の私に対する態度が今までと全然違う気がする。きっと顔を変えた効果が、もう出てるんだわ。咄嗟に少し前に流行ったお笑いのフレーズを私は思い出した。

 なんだか行けそうな気がする……


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