ブスになりたい女 〜高飛車美少女 VS 秀才クール男子〜
 外に出ると、中野君も言ってたように、風も穏やかないい天気だった。


 中庭に行くと、中野君はこの間と同じように、塗装が剥げてサビが浮いたような汚らしい鉄の手摺りに、躊躇なく腰掛けた。


 私はどうしようかなと思っていたら、


「あんたも座れば?」


 と、中野君は手摺りを手でポンポン叩いて言った。


「うん。あ、でも……」


「もしかして、ケツが汚れるとか思ってる?」


 図星だ。


「え? うん……」


「それは大丈夫だって。いつも誰かしら座ってるんだから」


 そう言いながら、中野君は手の平で手摺りを擦り、


「ほら?」


 と私に綺麗な手の平を見せた。


「ほんとだ。全然汚れてない」


「だろ? 見た目で判断しちゃいけないって事さ」


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