ブスになりたい女 〜高飛車美少女 VS 秀才クール男子〜
 本人やちいちゃんの前で説明できるわけもなく、首を傾げる修平はそのまま放っておいた。


 修平から聞いた、中野君は美人がブスに見え、ブスが美人に見える変人らしい、という話に私は騙されてしまった。そんな的外れな話を真に受けた私も、バカだったんだけどね。


「そう言えば、大塚?」


 今日も購買で買ったパンをかじりながら、中野君が私に話し掛けてきた。


「ん?」


「おまえさ、最近先生に指されても、『わかりませーん』って言わなくなったよな?」


「そ、そうかな」


「一応答えるよな? 変な答えだけど」


「ほっといて!」


「彩ちゃんはね、授業の予習をするようになったのよ。ね?」


 ちいちゃんがすかさずフォローしてくれて、「ちょっとね」と言って私は頭を掻いた。


 ちいちゃんの影響で、私も少しは勉強しなくっちゃ、と考えるようになったんだ。


< 247 / 417 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop