ブスになりたい女 〜高飛車美少女 VS 秀才クール男子〜
「痛いから、放して」


 私がそう言うと、「ああ、ごめん」と言って中野君は手を放してくれた。


「痣になったらどうしてくれるのよ……」


 私は中野君に掴まれた腕をさすりながら、


「中野君、怒ってるの?」


 と聞いたら、


「質問は俺がする」


 って言われた。やっぱり怒ってるんだ。でも、なんで?




 私達は、売り場の前に並ぶ7~8人の列の後ろに並んだ。


「おまえさ、修平の事が好きなの?」


 いきなり中野君はそう聞いてきた。


「な、なんでよ?」


 つっかえながらそう聞き返すと、


「修平にベタベタくっついてるからだよ」


 中野君は、低い声でそう言った。


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