ブスになりたい女 〜高飛車美少女 VS 秀才クール男子〜
 髪は夕日を浴びて黄金色に輝き、綺麗な鼻筋にきりりと結んだ唇。頬から顎にかけてシャープで流れるような曲線。まるで絵画から抜け出して来たみたい。


 私の心臓はドクンドクンと、口から飛び出すんじゃないか思うぐらいに激しく鼓動し、体の芯がジーンと熱くなった。


 ちいちゃん、許して?

 1回だけだから。最初で最後にするから。ね?


 私はゴクッと唾を飲み込むと、


「中野君……」


 と声を掛けた。そして、


「ん?」


 と振り向いた中野君の唇に、素早く、でもそっと、私の唇を重ねていった。


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