ブスになりたい女 〜高飛車美少女 VS 秀才クール男子〜
 中野君の唇って、想像してたより柔らかいし、温かいわ……

 私はこの感触を、しっかり記憶に留めたいと思った。もう二度と触れる事はないだろうから……


 それは、ほんの1~2秒だったのかもしれないし、もっと長かったのかも。

 どのくらいそうしていたのかわからないけど、そっと中野君から顔を離したら、中野君に睨まれてしまった。


「おまえさ、何してくれちゃうわけ?」


「ごめんなさい」


 怒られちゃった。当然だけど。


「不意打ちなんて、卑怯だと思わない?」


「だから、ごめんなさいって言ってるじゃない……」


 やだ。涙が出て来ちゃった。


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