ブスになりたい女 〜高飛車美少女 VS 秀才クール男子〜
 たっちゃんは私を抱えたまま、苦もなく階段を上がって行った。


 こいつ、見かけによらず力あるのね。という事は、闘っても私に勝ち目はない。逃げるしかないわね。何とか隙を見て、逃げるのよ……


 私はたっちゃんのらしい部屋に運ばれ、ベッドにフワッと落とされた。乱暴に落とされると思ってたので、ちょっと意外だった。


 なんて悠長な事を考えてる場合じゃないわ。逃げなくちゃ!

 素早くベッドから飛び降り、逃げよう、と思ったのだけど、あっさりたっちゃんに掴まってしまった。


「逃がすわけないだろ?」


 たっちゃんは私に馬乗りになり、顔を近づけてそう言った。息が顔に掛かって、気持ち悪い。


「なあ、もう抵抗するのはやめたらどうだ?」


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