ブスになりたい女 〜高飛車美少女 VS 秀才クール男子〜
 その時、お母さんから香水の匂いがして、それがちょっと不快に感じた。


「お母さん、香水つけ過ぎてない?」


「いつもと変わらないと思うけど?」


「それにちょっと、変な匂いかも」


「あら、そう? 彩花のと同じ香水なのに、変ね……」


 私はいつもこういう匂いをさせているのかあ。もう香水つけるの、やめようかなあ……


「ところで彩花。もうすぐ学校で三者面談があるのよね?」


「うん……」


「私、何着て行こうかなあ」


「何でもいいんじゃないの?」


「そうは行かないわよ。新しい先生と初めてお会いするんだもの、失礼のないようにしないと……

 やっぱりお洋服買いに行こうっと。彩花、付き合ってくれる?」


「え? めんどくさいなあ。たまには沙織と行ったら?」


「だめよ。沙織は洋服のセンスないもの」


「まあね……」


「あの子には困ったものよねえ。高校生になったんだし、もうちょっと女の子らしくしてくれないとね……」


 私はおしゃれ好きなお母さん似。沙織はおしゃれに無頓着なお父さん似だった。


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